■九州経済産業局幹部雑感
ロボット産業の育成を
地域経済部長 内藤
理(ないとう おさむ)
7月1日付けで発足した地域経済部の初代部長を拝命した内藤です。
九州に住民票を移すのは初めてですが、これまでも度々九州各県(7県すべて)には出張で訪れ、美しい自然と温かい人情に心惹かれていました。
特に、私がボランティアとして参加しているロボカップ(ロボットによるサッカー大会)では、2001年4月にジャパンオープンを福岡工業大学で開催させていただき、さらに、2002年6月には第6回世界大会を福岡ドームで開催させていただきました。
この場をお借りして、福岡県、福岡市、九州経済界及び多くの市民の方々の御協力に改めて感謝する次第です。
お陰様で、29ヶ国から一千人の参加者を得るとともに、12万人の方に御来場いただくことができました。そして、私の方は福岡に連泊して、中州で若手研究者と飲み歩くことができました。(実は、ロボカップは、酒飲みの大集団です。)
福岡の素晴らしいところは、ロボカップの世界大会を一過性のイベントとせずに、青少年を中心とした市民参加の体験型ロボット展示施設「ロボスクエア」を整備するとともに、人間との共生実験をするフィールドとして「ロボット特区」を設けるなど、継続的な取り組みがなされていることです。
実は、ロボット産業は、今年5月に当省が策定し、経済財政諮問会に報告された「新産業創造戦略」において、戦略7分野のひとつに選ばれています。
ロボット産業は、自動車産業と同様に裾野の広い産業であるため、軽量素材、燃料電池、センサー、アクチュエータ、通信ユニット、ソフトウェア、システム構築等の関連業種を九州全域に展開させていくことができます。また、知能ロボット向けに開発された技術(これをRTと呼びます)は、ロボット以外の様々な機械製品にも応用可能で、社会の快適性がより求められる今後の経済社会において大きな需要を生み出します。一方、九州各地にロボットの研究者がおり、また、ロボット関連の技術を有する中小企業が存在しています。まさに、ロボット産業は、九州の次世代の基幹産業として相応しいものです。
今後、こうした九州のポテンシャルを生かして、九州各地でロボット産業及び関連産業を育成していきたいと思っていますので、関係各位の御指導・御協力をお願い申し上げます。
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